ハラスメントの境界線は?
どこまでは大丈夫なのか教えて欲しい。
とセミナーの席で良く質問されることですが、
MENTAGRAPH 株式会社が
「ハラスメントの基準」に関する
管理職と非管理職の認識調査を公表
しました。
その結果、非管理職のほうが“身体的接触”や
“私的時間への介入”により敏感であることが
明らかとなり、
「LINEでの業務連絡」「肩を叩く」
「呼び捨て」などがハラスメントと
みなされやすい傾向が浮かび上がりました。
「良かれと思って」がリスクに?
特に注目すべきは、管理職と非管理職の間に
存在する大きな「認識のギャップ」です。
調査結果が示す通り、
「肩を叩く」「下の名前で呼ぶ」
といった、
かつては「円滑なコミュニケーション」や
「親愛の情」と見なされていた行為が、
非管理職の間ではハラスメントと
認識される傾向が強まっています。
この意識の差は、管理職側が
「指導の一環」「コミュニケーション」
と捉えている行動が、
部下である非管理職には
「身体的接触」「私的領域への侵入」
「属性への言及」といった形で、
明確な境界線を超えたリスク行為と
受け取られていることを意味します。
特に、
「業務時間外のLINE連絡」や「肩を叩く」
といった項目の認識ギャップが大きいですね。
これはもはや「世代間の価値観の違い」
という単純な問題ではすまされない
かもしれません。
もちろん、単純に業務時間外だからNGという
ことではなく「緊急性・重要性」という面の
意識の違いがあるということです。
この点、何が良い、悪いではなく、
お互いの価値観の違いを知っておくことも
このような掛け違いを抑えるひとつの
きっかけとなります。
全社員研修や管理職研修でお互いの認識を
共有する場を作ることもリスク管理の
ひとつといえます。
福井の社労士
シナジー経営社会保険労務士法人
シナジー経営株式会社