「106万円の壁」がなくなる日

先日、顧問先の社長から

「うちはまだ51人未満だから社会保険の

適用拡大は関係ないですよね」

というご質問をいただきました。

たしかに現在は、

従業員数51人以上の企業が対象という

認識で止まっている方が多いのですが、

実はこの秋、制度はさらに一歩進みます。

今日はその点を整理してみたいと思います。

 

現在、短時間労働者(パート・アルバイトの方など)

が勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険)に

加入する要件は、

・週の所定労働時間が20時間以上であること

・学生でないこと

・月額賃金が8.8万円以上であること

の3つが柱になっています。

これに加えて、企業の規模要件として現在は

「51人以上」の企業が対象とされています。

この点は、厚生労働省の特設サイトでも確認できます。

 

ここで今回お伝えしたいのが、

2026年10月から、

この賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃される

予定だという点です。

厚生労働省の案内では

「最低賃金以上で週20時間以上働く方は

この要件も満たすことになるため、

収入を意識する必要はありません」

とされており、

実務上は、週20時間以上・学生でないという

条件を満たす方であれば、

賃金の金額にかかわらず加入対象になっていく、

という整理になります。

もちろん、最低賃金の水準を踏まえると、

週20時間勤務であれば従来の8.8万円要件を

満たすケースが大半だったため、

影響を受ける方は限定的だという見方もできます。

ただ、勤務日数が少ない月や、賃金体系によっては、

これまで加入対象外だった方が新たに対象になる

可能性もありますので、

パート・アルバイトの方の勤務時間や賃金の実態を、

この機会に一度棚卸ししていただくとよいのでは

ないかと思います。

あわせて、企業規模要件についても

段階的な引き上げが予定されています。

36〜50人規模は2027年10月

21〜35人規模は2029年10月

11〜20人規模は2032年10月

1〜10人規模は2035年10月

にそれぞれ適用拡大の対象となる

見込みとされています。

つまり、現時点で規模要件を満たしていない

企業であっても、いずれは対象になっていく

制度設計になっているということです。

 

冒頭の社長には、

「今回の賃金要件撤廃自体は51人未満の

企業にはまだ影響しませんが、

将来的には規模要件も広がっていきますので、

早めに社内の雇用管理体制を整えておくと

安心です」

とお伝えしました。

制度の詳細や個々の従業員の方への

当てはめは、勤務実態によって

判断が分かれる部分もありますので、

詳しくはご相談ください。

 

福井の社労士

シナジー経営社会保険労務士法人

シナジー経営株式会社

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