来年4月の施行に向けて、動かれている会社さん(中小企業)も多いと思いますが、
同一労働同一賃金に関する最高裁判決が10月15日までに出揃います。
日本郵便、メトロコマース、大阪医科薬科大学事件など判決次第では
時流が「コロナ」から「同一労働同一賃金」へ大きく変わる可能性があります。
先日もハローワークで同一労働同一賃金の相談に乗っていましたが、
同一労働同一賃金は、企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(有期労働者、パート労働者)の間で、
基本給や手当、賞与などのあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることを禁止しています。
また、正規雇用労働者との待遇差の内容や理由などについて、会社に対して説明を求めることができるようになります。
会社は説明を求められた場合は、比較対象となる正規雇用労働者との間にある待遇差の内容とその理由について
説明する必要があります。
一見、ややこしいなと思いがちですが、端的に言うと、基本給の差、賞与の差、など明確に
説明できるようにしてください。ということです。
特に手当については、均等に支給されるべきという判断がなされています。(均等待遇と言います)
例えば、
特殊作業手当(業務の危険度または作業環境に応じて支給されるもの)は、その作業を行うために支給されるものなので
正規雇用労働者と非正規労働者で違いがあること自体が不合理だというものです。
また、通勤手当も同様。通勤を目的として支給するものであり、一定以上の通勤距離がある者に対して支給することで
不合理をなくすもの。
また均衡待遇は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇に相違がある場合に、
(1)職務内容(業務内容・業務に伴う責任の程度)
(2)当該職務の内容および配置の変更の範囲(人材活用の仕組み)
(3)運用その他の事情
の3要素を考慮して、不合理であってはならないとするものです。
つまり、能力や成果、貢献度に応じて支給するものであれば、それらをわかるようにする。
例えば、人事評価制度による給与の決定、賞与にすべきというものです。(賃金表など)
いずれにしても非正規雇用労働者(有期労働者、パート労働者)という理由だけで均等・均衡を
不合理にしないことが出てきますので、明確な理由付けを作る必要があります。
話を最初に戻すと、それらの指標となる判例が15日までに決定されます。
このような背景から、業界(?)では、アンテナが高い内容なのです。
分かり次第、お伝えしますし、今後セミナー等も開催していきますね。
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社