現在の最低賃金は、全国平均902円。
毎年8月に議論され、10月から適用される最低賃金ですが、
今年も引き上げに関する議論が始まりました。(福井県は830円)
政府は早急に1,000円を目指すとの指針を掲げており、
コロナ禍で経営が圧迫されている企業からは厳しい声が上がっています。
最低賃金は昨年は1~3円アップにとどまりましたが、
それまでは20円ほどアップしていました。
以下グラフの通り(時事通信より引用)
最低賃金は、最低賃金法で
「この法律は、賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、
賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、
労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に
寄与することを目的とする。」
と定められています。
つまり、最低賃金を上げることにより、生活保障、また所得を増やし消費喚起を促そうという
狙い。加えて優秀な人材を外国から集める、国際社会と競争しても遜色のない状態に持っていく
ことも想定されています。
法律の趣旨を見ると最低賃金の引き上げは理解できる部分がありますが、
企業、労働者共に努力して引き上げていくことが本来の姿。
大事なのは、労働者自身が自分の時給と生産性を把握しているのかという点。
パートやアルバイトであれば時給計算なので把握はしていますが、月給者は
理解していない点が多い。
例えば月給200,000円(基本給+職務手当)で所定労働時間170時間の場合の時給は?
単純計算ですが、
1,176円円です。
では、月給180,000円(基本給+職務手当)の場合は?
1,058円です。
こう見ると、時給1,000円ってそう高くない。
ただ、業種によっては時給1,000円が経営を圧迫することもあるため、
生産性をあげたり、適正な人件費で経営するわけです。
人件費には時給だけでなく社会保険料の負担もあるため、
引き上げには慎重になるわけです。×人数分ですから。
もちろん、それを上回る利益を出す仕組みを考え、
指示をするのが経営者の役目であり、実行するのが社員。
だからこそ、企業、労働者共に生産性を考えることが大事なのです。
必要なスキル、実績、適正な人事評価制度で適正な給与を決めていく。
生産性を上げる仕組み、人材育成の仕組み、ぜひ取り入れて
最低賃金を大きく上回る人件費、生産性を実現したいですね。
これらに関連する人材育成セミナーを開催しますので、ぜひ
ご参加ください。
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社