叱って伸ばすは時代遅れ?
パーソナル総合研究所が若手従業員の
メンタルヘルス不調についの定量調査を
行い、その結果を公表しました。
若手社員への教育に悩む上司、管理職は
非常に多いと思いますが、
メンタル不調にならないよう、
一人一人の特徴を把握しながら、教育を
工夫している会社も多くあります。
今回調査で明らかにされたのは、
【若手に特徴的な5つのストレス要因】
• 要因❶《仕事のプレッシャー・難しさ》
20代正規雇用者がメンタルヘルス不調に
なった主な理由は、
「仕事のプレッシャー・難しさ」が27.8%
と最多。他年代と比べても20代でやや多く、
特に20代女性で多い。
次いで、「上司との関係・ハラスメント」。
• 要因❷《拒否回避志向》
若年層ほど、他者からの否定的評価を
避けようとする「拒否回避志向」
(怒られたくない、人目を気にする、
受け身の姿勢、失敗への恐れ、対立回避)が
強い傾向。
中でも、拒否回避志向は、保護的で従順さを
期待される環境で育ち、インターネット検索に
頼りがちだった人に多く見られる。
また、若年層ほどこのような環境で育った人が
多く世代による違いがある。
拒否回避志向が強いほど、上司からの叱責に
よりストレス反応が高まりやすい。
• 要因❸《キャリア不安》
20代の約8割が、将来のキャリアに不安があり、
ストレス反応とも関連。
• 要因❹《スクリーンタイム》
若年層ほどスクリーンタイム(スマホ等の
デジタル画面の使用時間)が長く、
特にテレワーク実施者やIT・間接部門・事務職で長い。
スクリーンタイムが長いほど、脳疲労や眼精疲労、
ストレス反応が高まる(図表)。
• 要因❺《テレワーク下の孤独感》
20代では、30代以上と異なり、テレワーク実施者の
孤独感が高い。
このような若手社員への上司の対応には、
• 拒否回避志向の強い若手部下をストレスなく
成長させるには、叱責・放任より成長する業務分担や
フィードバックが効果的。
• キャリア不安の強い若手部下の対応には、
傾聴ではなく本音で話せる親密な関わりが効果的。
と分析しています。
また、早期相談を促す人事施策として
• 職場にメンタルヘルス不調を相談しない理由は、
「相談しても解決につながらないと思った」が
34.5%と最多。
• 相談の抵抗感の主な要因は、相談後の職場の
対応イメージのなさや、相談により評価・評判が
下がるとの予期。
正規雇用者の約4割がこのような認識。
• 非管理職にも職場の対応イメージを
持たせるため、研修や社内報を通じた
非管理職向けの啓発施策が有効。
現在は管理職・非管理職間の啓発状況の
差が大きく、メンタルヘルス不調対応に
ついての上司・部下間の知識・認識の
ギャップにつながっている 。
若手の傾向を理解しながら、
どのように教育を行うか、
伴走型の仕組みが必要と考えます。
福井の社労士
シナジー経営社労士法人
シナジー経営株式会社