労働者に買取強要(自爆営業等)等に関する
問題について厚生労働省がパンフレットで
注意を呼びかけています。
(以下、抜粋)
近年、使用者が、労働者に対し、当該労働者の
自由な意思に反して自社の商品・サービスを
購入させる行為(以下「商品の買取り強要等」
という。)が様々な分野で発生しており、
問題になっています。
商品の買取り強要等に関しては、例えば、
営業職の従業員に対して、いわゆる
「営業ノルマ」(以下「ノルマ」という。)
として自社商品の売上目標を設定し、
ノルマが未達成だった場合に、従業員自身に
自社商品を購入するよう求めるようなケースが
あります。
商品の買取り強要等は、労働者の経済的損失や
精神的苦痛につながるとともに、民法や
労働関係法令上様々な問題があります。
これらのケースがパワハラに認定される
ケースもありますので適切な対応が
必要となります。
パンフレットの中には、裁判まで
発展した例も記載されています。
①いわゆる「商品の買取り強要」
~自社商品約18万円の購入を強要された事案~
〈事案の概要〉
数回にわたって会社から、
「商品を理解しなければ仕事はできない、
そのためには商品を買う必要がある」
と強く言われていたが、購入を拒否していた
ところ、重ねて「商品を理解しない者には
仕事をさせるわけにはいかない」と言われたため、
やむを得ず自社商品を購入した営業職の事案。
〈裁判所の判断〉
使用者としての立場を利用して、
仕事をさせることにからめて従業員に不要な
商品を購入させたものであるから、
公序良俗に違反する商法であり、
不法行為を構成するものと判断。
商品代金相当額の損害賠償請求が認容された。
(東京地裁 平成20年11月11日判決)
②合理的な理由のないノルマの設定
~1日100件の新規顧客開拓業務を指示された事案~
〈事案の概要〉
専ら飛び込みでの新規顧客開拓業務を
1日100件行うよう指示された営業職の事案。
〈裁判所の判断〉
新規顧客開拓のために訪問件数を目標として
掲げること自体が不合理であるとはいえないが、
・目標の達成のためには1件当たり数分で
訪問しなければならないこと
・新卒社員が同業務を行う場合の件数は
1日4、50件程度であること
・ポストインや門前払いが多くなければ
達成できない件数の設定であること
から、当該目標は相当ハードルが高く、
当該指示に合理的な理由があるとは認められず、
その他の事情をあわせて考慮した上で、
当該指示は労働者に対する嫌がらせであり、
不法行為を構成すると判断。慰謝料請求が
認容された。
(大阪地裁 平成27年4月24日判決)
目標を設定することは問題ないですが、
その内容が適正かどうかが判断されて
いますね。業務上適正な範囲かどうか
パワハラ認定の大事なポイントです。
ぜひ参考にしてください。
福井の社労士
シナジー経営社会保険労務士法人
シナジー経営株式会社