賃上げの動きに伴い、時給や賞与を
上げたいけど、年収が増えるため、
106万円、130万円の壁が労働時間を
抑制する動きにもなっており、
労働者にとっても企業側にとっても
おかしな現象となっています。
壁の見直しの議論は、
今後本格化していくと思われますが、
扶養要件である130万の壁の根拠って
何だろうとふと思ったので調べてみました。
130万円基準の根拠となる条文は、
日本年金機構HPに載っていました。
扶養認定基準については、
昭和52 年4 月6 日保発第9 号・庁保発第9 号
により、収入基準を定めているところであり、
収入の算定については、昭和61 年4 月1 日
庁保険発第18 号と同様の扱いをしている
ところである。
(ネットで調べると根拠条文が出てきます。
長いのでここでは省略)
つまり、今から46年ほど前の基準で
判断をしているのです。
そうか根拠条文はあると、
ではその当時の最低賃金は
どうなっているのだろう。。
「1977年の最低賃金」で検索!
調べてみるとなんと、衝撃の結果
えっ、東京で345円。
(最賃サイト引用)
2度見どころじゃなく、
3度見、4度見しましたが、
事実なんですね。
2022年の最低賃金は、次のとおり。
東京で1072円です。
1977年とその差1,037円。
月に100時間働くとして、10万円以上
アップしています。
ちなみに日本銀行のHPに
次のようなQ&Aが載っていました。
「昭和40年の1万円を今のお金に
換算するとどのくらいになりますか?」
『回答』
財(モノ)やサービスの種類によって、
価格の上昇率がまちまちであるため、
お金の価値を単純に比較することは
なかなか困難です。
そこで、「今の物価は、昭和40年と
比べてどのくらいの水準なのか?」
という質問に置き換え、いくつかの
数字を使って考えてみましょう。
昭和40年当時に1万円で取引されていた物が、
現在は何円ぐらいなのか、ということから、
大体の価値が見えてきます。
ここでは、企業物価指数および消費者物価指数が
が1つの参考材料になります。
企業物価指数を見ると、令和4年の物価は
昭和40年の約2.3倍なので、昭和40年の1万円は
令和4年の約2.3万円に相当する計算になります。
また、消費者物価指数では約4.3倍なので、
約4.3万円に相当するという計算になります。
健康保険法や国民年金法、所得税法の
法改正にも絡んでくるため、時間は
かかるものだと思いますが、やはり
扶養の考え方、この基準自体を変える
必要がある(撤廃も含めて)
ということですね。
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社