記録的大雨が降った昨日、
お昼ごろに急にスマホの
警報アラームが鳴り、
そこにいた全員が外の
様子を確認しました。
各地で道路の冠水や床上下浸水が
報告されていますが、
本日8月5日まで大雨警報、
土砂災害、河川の氾濫等の
呼びかけが出ていますので
引き続き注意が必要です。
(画像は気象庁より)
自然災害の場合、
休業手当について
ご質問いただくことがあります。
労働基準法では、
「使用者の責に帰すべき事由による
休業の場合には、使用者は、
休業期間中の休業手当
(平均賃金の100分の60以上)
を支払わなければならない」
とされています。
ただし、天災事変等の不可抗力の場合は、
使用者の責に帰すべき事由に当たらず、
使用者に休業手当の支払義務はありません。
ここでいう不可抗力とは、
1.その原因が事業の外部より発生した
事故であること、
2.事業主が通常の経営者として最大の
注意を尽くしてもなお避けることの
できない事故であること
の2つの要件を満たすものでなければ
ならないと解されています。
では、今回の大雨や土砂崩れ、
河川の氾濫はどうなのでしょう。
大雨や土砂崩れ、河川の氾濫で、
事業場の施設・設備が直接的な
被害を受け、その結果、
労働者を休業させる場合は、
休業の原因が事業主の関与の
範囲外のものであり、
事業主が通常の経営者として
最大の注意を尽くしても
なお避けることのできない事故に
該当すると考えられますので、
原則として使用者の責に帰すべき
事由による休業には該当しないと
考えられます。
ちなみにこういった災害で数日から
数ヶ月休業を余儀なくされた場合、
労働者に休業手当を支払う場合に
利用できるのが、
今や新型コロナウイルスによる休業で
利用していた「雇用調整助成金」です。
休業等を実施することにより、
労働者の雇用の維持を図った事業主に
休業手当等の一部を助成するものです。
本助成金は、使用者の責に帰すべき事由
による休業に該当するか否かにかかわらず、
事業主が休業についての手当を支払う
場合には対象となりますので、被害が
続く場合などは検討しても良いと思います。
まずは命を守る行動、
その上で、雇用の維持と事業の継続。
どちらも大事なことです。
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社