新しく雇用される人や昇(降)給などによって労働条件が見直され、
労働契約を結び直す時期が多い3月、4月。
ここで改めて労働契約について触れていきます。
労働契約とは、使用者が労働者にこの仕事をこのお給料でお願いしますねと示し、
労働者は、労務の提供を約束することで成立します。
口頭でも契約は成立しますが、言った言わないなどのトラブルが発生するため
労働基準法では、労働者に労働条件を記した「労働条件通知書」の交付を義務としています。
これは正社員に限らず、アルバイトやパートでも同様です。
「えっ?アルバイトでも必要なの?学生の時にもらったことがない。」
と言われる方も多いと思いますが、最近では大学で労働法に関する授業が行われており、
学生も書面による労働条件の通知は知っています。
内定を出した大学生から「書面で条件を示してください」と言われ、
驚いた経営者の方もいらっしゃることと思います。
また、「労働条件通知書」の明示事項は、2019年4月より、従業員が希望した場合
書面以外にメールやSNSなどでも明示できるようになりました。
LINEなどでも有効ということになります。
労働条件通知書と雇用契約書の違い
では、ここで「労働条件通知書」と「雇用契約書」の違いについて説明します。
前述した通り、労働基準法で求められているものが労働条件通知書。
一方で民法上、使用者と労働者が労働条件について合意したことを
証明するためのものが雇用契約書です。
内容はほぼ同じですが、労働条件通知書は、使用者から労働者に
「労働条件を通知するもの」、
雇用契約書は「双方が合意していることを証明するもの」の
違いがあります。
いわゆる一方的に通知したか、合意したかということです。
会社によっては労働条件通知書を発行しているところもあれば、
雇用契約書を締結しているところもあるでしょう。
当社では、労働条件はお互いに理解することが必要なので
雇用契約書を締結することをお勧めしています。
トラブルを防ぐことにもつながります。
給料の変更があった、仕事の内容が変わった、就労場所が変わったなど
労働条件に変更があると労働契約の見直しが必要となります。
労働条件通知書(雇用契約書)には必要な事項がありますので
この辺りは、次回お伝えします。
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社