先日、ゴルフの原英莉花選手が
腰痛の手術に成功し、リハビリをしている
と話題になりましたが、
今や国民の3人に一人が腰痛持ちとされ、
日常生活にも仕事にも影響が出ています。
腰痛は業務に関係があると労災認定が
されますが、判断が難しい面も多々あります。
以前、クライアント様から
「冬場の除雪で腰を痛めたが、6月になっても
痛みが取れない。通院中で労災対象となるか?」
とご相談を頂きました。
腰痛の認定基準では、腰痛を2種類に区分して
要件が定められています。
なお、労災の対象となる腰痛は医師により
療養の必要があると判断されたものに限ります。
(医師の証明が必要)
ひとつ目は、
災害性の原因による腰痛(突発的な要因)
負傷などによる腰痛で次の①と②の要件を
満たすものです。
①腰の負傷または、その負傷の原因となった
急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事に
よって生じたと明らかに認められること
②腰に作用した力が腰痛を発症させ、
または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく
悪化させたと医学的に認められること
ふたつ目は
災害性の原因によらない腰痛(長期的な業務が要因)
日々の業務による腰部への負荷が徐々に作用して
発症した腰痛を指し、発症原因により
次の①と②に区別して判断されます。
➀筋肉等の疲労を原因とした腰痛
下記に記載した業務に比較的短期間
(約3カ月以上)従事したことによる筋肉等の
疲労を原因として発症した腰痛は労災認定の
可能性があります。
・約20kgの重量物の物品を中腰の姿勢で
取り扱う業務
・毎日数時間程度、腰にとって極めて不自然な
姿勢を保持して行う業務
・長時間立ち上がることができず、同一の
姿勢を持続して行う業務
・腰に著しく大きな振動を受ける作業を
継続して行う業務
②骨の変化を原因とした腰痛
数10kgの重量物を取り扱う業務に、
相当長期間(約10年以上)にわたり継続して
従事したことによる骨の変化を原因として
発症した腰痛は労災補償の対象となる
可能性があります。
なお腰痛は、加齢による骨の変化によって
発症することが多いため「通常の加齢による
骨の変化の程度を明らかに超える場合」に
限られます。
除雪による腰痛が「災害性」又は
「災害性の原因によらない」
どちらかの腰痛基準を
満たすことが必要ですが、
最終的には
「労働基準監督署」の判断となります。
ご質問の件も必ず認定されますとは
言えませんが、可能性はあります。
とお答えしました。
なお、腰に負担のかかる業務を行う業種は
(建設業や運送業、介護・医療など)
腰痛予防を実施しているところも多いですね。
企業としての予防も忘れずに行っておきましょう。
福井の社会保険労務士
シナジー経営社会保険労務士法人
シナジー経営株式会社