近年、退職代行から退職の連絡がきた
という話は珍しくなくなりました。
一方、退職代行の会社の問題も
指摘されています。
共同通信の報道(2026年10月7日)によると、
退職代行サービスの運営会社から
法律事務のあっせんを受けたとして、
弁護士が弁護士法違反の罪で
有罪判決(執行猶予付き)を受けています。
退職代行という仕組み自体が、
弁護士法が定める「非弁行為」の問題と
隣り合わせにあることを示す出来事だと感じます。
東京商工リサーチが2026年4月に行った調査では、
2024年1月以降に退職代行サービスから
連絡を受けた企業は全体で8.7%、
大企業では21.3%にのぼっています。
また、弁護士や労働組合以外の退職代行業者から
連絡を受けた企業のうち、
有給休暇の消化や退職日の調整、
未払い残業代の請求といった
「交渉」に類する内容の通知を
受けたケースが、約3割に上っています。
こうした交渉行為は、弁護士でない業者が行うと
非弁行為に当たるおそれがあります。
企業側としては、退職代行から連絡が来た際、
まず本人に退職の意思を確認することが基本です。
弁護士や労働組合の名義であれば
交渉への対応も想定されますが、
それ以外の業者から条件面の交渉を
持ちかけられた場合は、
安易に応じず、本人や代理人と
直接確認する体制を整えておくことで
無用なトラブルを防ぐことができます。
また、退職手続きの流れや、
連絡を受けた際の報告ルートを
あらかじめ社内マニュアルに
落とし込んでおくと、
担当者が一人で判断に迷う場面を
減らすこともできます。
退職代行サービスを手がける業者は、
この数年で急増した一方、
今回のような摘発や判決を受けて
撤退・廃業するところも
出てきているようです。
業界自体の勢力図は流動的な状況ですが、
退職代行という形での連絡に
企業として向き合う場面は、
業者の増減に関わらず
今後も一定数生じると考えられます。
慌てて対応を決めるのではなく、
平時のうちに社内の対応フローを
整理しておくことが、
結果的にトラブルを防ぎ、
従業員との関係を無用に
こじらせないことにつながります。
福井の社労士
シナジー経営社会保険労務士法人
シナジー経営株式会社








