回転寿司大手の「かっぱ寿司」の元社長が、
ライバル会社の「はま寿司」から営業秘密を
不正に持ち出した件で東京地裁は有罪判決を
下しました。
日経新聞では、雇用の流動化が進む中、
営業秘密の漏洩に改めて厳しい姿勢を示した
と記事を出しています。
裁判では競合会社から持ち出したデータについて
不正競争防止法が保護する営業秘密に当たると認定し、
「転職先での商品開発に役立て、地位や評価を
得たいという利欲的な動機で営業秘密を持ち出した」
と指摘しています。
転職や独立の際に「顧客情報」や「営業秘密」
「秘密保持」などが問題となるケースがあります。
不正競争防止法では、次の3つが「営業秘密」
とされています。
・秘密として管理されていること(秘密管理性)
・事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること
(有用性)
・公然と知られていないこと(非公知性)
秘密管理性の判断が難しい部分ではありますが、
判例では、
「外部者及び従業員から認識可能な程度に客観的に
秘密として管理されていることを指す」
と示されているため、
顧客情報が秘密情報であると周知・指示される
こと、持ち出し禁止などの表示で秘密管理性も
満たされることになります。
そして、
・不正な手段を使って取得すること
・不正な目的のために利用すること
特に不正な目的で利用することに着眼され、
同業者などの独立・転職はこちらに該当する
ケースもあります。
今回のかっぱ寿司元社長のケースは
まさしくこれに該当します。
企業の管理方法も問われる部分ですが、
「顧客情報」は不正競争防止法に触れると
思っておいた方がよいでしょう。
就業規則にも記載されていることも多い
ですね。
雇用の流動化や副業・兼業を政府が進めている
部分もありますが、要注意案件です。
福井の社会保険労務士
シナジー経営社会保険労務士法人
シナジー経営株式会社