「対人関係」が最多の負担に ― 白書データから考えるメンタルヘルス対策

先日、厚生労働省が公表した

「令和8年版 過労死等防止対策白書」

に目を通していて、ある数字に

目が留まりました。

令和7年度に精神障害を理由として

労災認定された件数は1,082件で、

7年連続で過去最多を更新した

というものです。

働き方改革が進み、週60時間以上働く人の割合は

長期的に減少しているにもかかわらず、

心の健康を損なって労災認定を受ける方は

増え続けている。

この対照的な動きに、改めて考えさせられるものが

ありました。

白書では、労災認定の「出来事」別の分析も

行われており、このところ最も増えているのが

「対人関係」、とりわけ上司とのトラブルに

関するものだと紹介されています。

業種別に見ると、医療・福祉分野での認定件数が

最も多いです。

パワハラのような明確な問題行為がなくても、

上司と部下の関係性そのものが大きな

心理的負担になり得るということを、

数字が示しているように感じます。

私がお客様とお話をしていても、

「ハラスメントとまでは言えないが、

関係がこじれて本人が参ってしまった」

というご相談は、決して珍しくありません。

 

こうした流れを踏まえると、

企業として備えておきたいことは大きく二つあると

考えています。

 

一つは、管理職向けの面談・相談対応研修です。

パワハラ防止研修だけでなく、

部下との関係づくりそのものを学ぶ機会を

設けることが、結果的にハラスメントの芽を

摘むことにもつながります。

 

もう一つは、ストレスチェック体制の整備です。

現在は従業員50人未満の事業場では実施が

義務ではありませんが、2028年4月からは

全事業場での実施が義務化される予定です。

今のうちから実施方法や面接指導の流れを

検討しておくと、慌てずに対応できるのでは

ないかと思います。

 

数字だけを見ると他人事のように感じられる

かもしれませんが、白書が映し出しているのは、

どの職場にも起こり得る人間関係の難しさ

そのものだと思います。

制度を整えることと同時に、

日々の職場でのコミュニケーションを

見直すきっかけとしていただければ幸いです。

福井の社労士

シナジー経営社会保険労務士法人

シナジー経営株式会社

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