副業・兼業の労働時間の通算どうなる?

現在、厚生労働省の労働政策審議会が 開催され、労働時間に関する法制度の 見直しの中で「副業・兼業」が検討項目 のひとつとして取り上げられています。 具体的には、副業・兼業を行う労働者について、 本業と副業の労働時間をどのように通算して 割増賃金の算定を行うべきか、 また副業・兼業を行う労働者の健康を どのように確保すべきか、 という二つの論点が示されています。 まだ議論の入り口の段階で、方向性や結論が 決まったわけではありませんが、 現場で感じていた課題が国の議論の場に なっています。 弊社にも、ここ数年 「社員から副業をしたいと相談された」 「副業を認める制度を整えたいが、 何に気をつければよいか」 というご相談があります。     現行のルールでは、 原則として本業・副業それぞれの 労働時間を通算し、法定労働時間を 超える部分について割増賃金の支払いが 必要になります。 ところが、他社での労働時間は 本人からの申告に頼らざるを得ず、 申告の頻度や正確性をどう確保するか、 申告漏れがあった場合にどう対応するかなど、 実務上悩ましい点が多いのが実情です。       健康管理についても、 本業先だけでは労働者の総労働時間や 疲労の状態を把握しきれないという 難しさがあります。   実務では、副業を認める企業の多くが、 事前の申請・許可制をとり、 他社での就労日・時間を定期的に 報告してもらう仕組みを設けています。 合計の労働時間が一定の基準に 近づいた場合には本人と面談し、 必要に応じて働き方を見直してもらう、 という運用をしている例があります。   今回の審議会での議論は、 さらに深められていくものと見られますが、 副業・兼業についてどうなるか注目です。   福井の社労士 シナジー経営社会保険労務士法人 シナジー経営株式会社

休職規程の『通算・中断規定』を見直すきっかけ

先日、専門紙の報道で、私傷病休職からの復職を めぐる東京地裁の判決を目にしました。 報道によれば2026年7月8日の判決とのことで、 争点になったのは、休職規程によくある 「中断規定」(前後の休職期間を通算する規定)の 適用範囲です。 この会社の規定は「休職期間の途中で復職した者が、 同一または類似の事由で再び休職する場合は、 前後の期間を通算する」という内容であり、 今回の従業員は休職期間が満了した時点で 復職しており、その後まもなく欠勤が始まった という経緯だったと報じられています。 会社側は実質的に休職が継続していたと みなして自然退職の扱いにしましたが、 裁判所は「期間の途中で復職した者」 という規定の文言どおりに限定して判断し、 期間満了後の復職には適用できないとして、 自然退職を無効と判断したようです。 その結果、会社側に相当額のバックペイ支払いが 命じられたとのことです。 休職規程の通算規定や中断規定は、 よく目にする内容でありますが、よく議論する ところです。 休職の開始時期はいつなのか、 休職期間満了の時期はいつなのか、 復職する際の基準は何なのか 自然退職への流れはどうなっているのか など実務上は複雑に絡み合うことが多く ご相談もこのあたりに集中します。     産業医がいる50人以上の会社だけではなく 産業医がおらず、主治医の判断に基づく 「就業不能」「就業可」をどう扱うのか など休職制度の「出口」部分を整理しておくと 安心です。 今一度、休職規程定の見直しをしてみると 良いかもしれません。 福井の社労士 シナジー経営社会保険労務士法人 シナジー経営株式会社

ソフトバンクから学ぶ組織運営と人事戦略

福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズを制覇し、 見事、連覇を達成しました。 圧倒的な勝負強さと盤石の勝ち上がりは、 野球ファンのみならず、現代企業の組織運営や 人事戦略に関わる人々にとっても非常に多くの 示唆を含んでいますね。 ...

「対人関係」が最多の負担に ― 白書データから考えるメンタルヘルス対策

先日、厚生労働省が公表した 「令和8年版 過労死等防止対策白書」 に目を通していて、ある数字に 目が留まりました。 令和7年度に精神障害を理由として 労災認定された件数は1,082件で、 7年連続で過去最多を更新した というものです。 働き方改革が進み、週60時間以上働く人の割合は 長期的に減少しているにもかかわらず、 心の健康を損なって労災認定を受ける方は 増え続けている。 この対照的な動きに、改めて考えさせられるものが ありました。 白書では、労災認定の「出来事」別の分析も 行われており、このところ最も増えているのが 「対人関係」、とりわけ上司とのトラブルに 関するものだと紹介されています。 業種別に見ると、医療・福祉分野での認定件数が 最も多いです。 パワハラのような明確な問題行為がなくても、 上司と部下の関係性そのものが大きな 心理的負担になり得るということを、 数字が示しているように感じます。 私がお客様とお話をしていても、 「ハラスメントとまでは言えないが、 関係がこじれて本人が参ってしまった」 というご相談は、決して珍しくありません。   こうした流れを踏まえると、 企業として備えておきたいことは大きく二つあると 考えています。   一つは、管理職向けの面談・相談対応研修です。 パワハラ防止研修だけでなく、 部下との関係づくりそのものを学ぶ機会を 設けることが、結果的にハラスメントの芽を 摘むことにもつながります。   もう一つは、ストレスチェック体制の整備です。 現在は従業員50人未満の事業場では実施が 義務ではありませんが、2028年4月からは 全事業場での実施が義務化される予定です。 今のうちから実施方法や面接指導の流れを 検討しておくと、慌てずに対応できるのでは ないかと思います。   数字だけを見ると他人事のように感じられる かもしれませんが、白書が映し出しているのは、 どの職場にも起こり得る人間関係の難しさ そのものだと思います。 制度を整えることと同時に、 日々の職場でのコミュニケーションを 見直すきっかけとしていただければ幸いです。 福井の社労士 シナジー経営社会保険労務士法人 シナジー経営株式会社

シフトで働く人の有給休暇の注意点

シフト制で働く従業員の年次有給休暇について、 「シフトが決まっていないと有給は取れないのでは」 「忙しい時季に申請されたらどう対応すればいいのか」 といったご相談を、これまでに何度もいただいてきました。 ...

月1時間の残業でも書類送検に?

先日、報道で目にしたニュースが気になりました。 大阪市内の訪問介護事業を営む会社が、 従業員にわずか月1時間程度の残業をさせたことを 理由に、労働基準法違反の疑いで書類送検された というものです。 ...
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