寸劇による熱中症対策

先日、ある企業様の安全大会に講演で

お招きいただきました。

そこで非常に印象に残る光景を目にしました。

それは、職場での熱中症発生を想定した

「寸劇(ロールプレイング)」による対応訓練です。

単にマニュアルを読み上げるだけでなく、

実際に作業員が熱中症で倒れた状況をリアルに再現し、

「周囲の従業員がどう声をかけ、どう救護し、

どこへ連絡するか」を実演されていました。

参加している従業員の皆様が自分事として

捉えられる素晴らしい取り組みだと感銘を受けました。

 

今回は、この安全大会での体験を踏まえ、

労務管理と労働安全衛生の視点から、

職場における熱中症対策と万が一の対応について

触れてみます。

 

1. 職場における熱中症は「労災」であり「安全配慮義務」

 

夏本番を迎えるこれからの時期、屋外での建設・

工事現場はもちろんのこと、空調の効きにくい

屋内作業場や製造業の現場などにおいて、

熱中症のリスクは急激に高まります。

労働基準法や労働契約法において、事業主には

安全配慮義務が課せられています。

これは、従業員が生命・身体の安全を確保しつつ

働けるよう配慮する義務です。

もし、適切な暑熱対策を怠った結果として

従業員が熱中症を発症した場合、

企業側の安全配慮義務違反が問われる

可能性があります。

また、業務中に発症した熱中症は

労災の対象となります。

事前の予防はもちろんのこと、

万が一発生してしまった際の迅速な初期対応は、

労働者の健康を守るためだけでなく、

企業の法的リスクを軽減する上でも極めて重要です。

 

 

2. 「知っている」と「動ける」のギャップを埋める寸劇の効果

 

多くの企業で、熱中症に関するマニュアルや

ガイドラインが整備されています。

しかし、「頭で知っていること」と

「緊急時に体が動くこと」には

大きなギャップがあります。

 

先の安全大会で行われていた寸劇は、

まさにそのギャップを埋めるための極めて

有効な手法でした。

・「意識がもうろうとしている人に、

無理やり水分を飲ませようとしていないか」

・「涼しい場所への移動や、衣服を緩めて

体を冷やす冷却処置(首元・脇の下など)が

迅速に行われているか」

・「救急車を呼ぶ判断や、上長への報告の

連携はスムーズか」

 

これらをロールプレイング形式で確認することで、

マニュアルの文字だけでは見えてこない

「現場での臨場感」や「連携の課題」が

浮き彫りになります。

安全は一人の知識ではなく、チーム全体の

連携によって守られるものだと改めて

実感しました。

 

マニュアルを実際に活用してみる。

当たり前のことかもしれませんが

ロープレは効果が高いですね。

 

 

福井の社労士

シナジー経営社会保険労務士法人

シナジー経営株式会社

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